視覚障害者情報センター

視覚障害者の情報入手方法の紹介

ひとくちに「視覚障害者」と言っても、見え方は一人一人が異なっています。
全盲者、ロービジョン者、またロービジョンの中でも白く濁った見え方の方もいれば、視野がかけた見え方の方もいます。
それぞれの見え方や生活スタイル、得意不得意に合った情報入手方法を用いることが大切です。

このページでは、当センターのサービスでも扱っている視覚障害者向け図書にも触れながら、見えない・見えにくい方の情報入手方法の例をいくつかご紹介します。

保有視覚を活かす方法

拡大鏡・拡大読書器を使う 当センターでの取り扱い:あり

拡大鏡はより便利に使える虫眼鏡のような器具です。眼鏡店や視覚障害者向けの用具を取り扱っているお店で購入ができます。
持ち運べるサイズのレンズを使って拡大します。

拡大読書器は当センターのような点字図書館系の施設に設置されていることも多いほか、地域によっては公共図書館にも設置されており、自由に使用することができます。 据え置き型のほかにも携帯型があります。
文字サイズの拡大縮小、背景や文字色の変更ができ、使用者の見え方に合わせて使うことができます。

拡大読書器の写真

拡大文字図書や白黒反転図書を利用する 当センターでの取り扱い:なし

印刷された文字が大きくなっているため、細かい文字が見えにくい方が使うことが多いです。
地域の公共図書館でも所蔵していることが多いです。背景色と文字色が反転した形のものもあります。
※当センターでは所蔵しておりません。

電子書籍を活用する 当センターでの取り扱い:あり

パソコンやスマートフォン、ダブレット等で読むことができる電子書籍は、表示の変更で文字サイズを変えたり、文字色や背景色を変更することができるため、ロービジョンの方に有効な場合があります。
電子書籍の種類によってはテキスト情報を機械音声で読み上げさせることもできるので音声と併用できる場合もあります。

視覚障害者向けの電子書籍

「テキストデイジー」「マルチメディアデイジー」があります。
一般的な電子書籍は出版社やサービス提供プロバイダーが紙の本と同様に販売し、提供元によって様々な規格がありますが、 「テキストデイジー」「マルチメディアデイジー」は点字図書館等の施設やボランティア団体が出版された本を元に製作する統一規格の電子書籍です。
一般的な電子書籍と機能は似ていますが、写真やイラストといった視覚的な情報に補足説明が加えられていたり、より視覚障害者等の方が利用しやすいよう配慮されて作られています。

テキストD画面の写真

視覚以外の触覚・聴覚を活用する方法

指で読む(触覚を使う)~点字図書~ 当センターでの取り扱い:あり

点字は1文字が6点の凹凸で表される視覚障害者向けの文字で、それを用いて書かれた図書です。
指で読む文字なので、まったく見えない方でも使用することができます。
読むためには点字を指で読む(触読)訓練が必要です。
以前は手で点字を打って製作していましたが、現在はパソコンで点字データを作成したあと、それを点字プリンターで点字用紙に印刷して作ります。
紙に印刷せずに点字ディスプレイ(点字データを読み込み点字を浮かび上がらせる機械)で読む方法もあります。

点字図書の写真

耳で聴く(聴覚を使う)~録音図書~ 当センターでの取り扱い:あり

録音図書は、図書の内容を音声で読み上げることで耳で聴くことができる図書です。
点字を読めない人でも気軽に利用することができるため、現在の視覚障害者向けの図書で最も利用が多いです。
点字図書館等の施設で作られている録音図書は「デイジー図書」と呼ばれるものが多いです。

デイジーとは

録音図書をより便利に利用するためのデータの形式のことです。
本の中の写真やグラフなど、視覚的な情報は言葉での説明に置き換え、見えない人にもわかりやすく配慮された形で作られています。
活字の図書の中身を音声にし(=音訳)、それを録音した音声データをつなぎ合わせて作ります。
このデータはCDに書き込んで聴くことができるほか、データのままでも録音図書が再生できる機器やアプリがあれば再生できます。

録音図書の写真

録音図書の利用方法

「デイジー図書」は特殊な音声データ形式のためCDプレイヤー等では再生できません。
録音図書再生機(主要なものではシナノケンシ社のプレクストークなど)やパソコン、スマートフォンでも利用ができます。
使い方の支援も当センターは実施しておりますので詳細はお気軽にご相談ください。

注意点:著作権の扱いについて

当センターで取り扱う図書は著作権法第37条第3項に則り、利用に供しています。
この法律に則って扱う図書は、著作者の権利を守るため、利用者を視覚障害者等活字による読書が困難な方に限定しています。
そのため、視覚障害者等活字による読書が困難な方以外は図書を利用することはできません。