令和5年度新潟県視覚障害者情報センター 事業推進懇談会 記録 1 日時 令和5年11月17日(金)13時30分から15時20分 2 場所 新潟ふれ愛プラザ会議室(新潟市江南区亀田向陽1‐9‐1) 3 出席者 構成員 (1)利用者  新潟県視覚障害者福祉協会 会員 関川 美咲枝 新潟県中途視覚障害者連絡会 会員 板垣 稔  新潟県視覚障害者友好協議会 会員 石田 浩子 ロービジョン者 髙橋 泰子(欠席) (2)関係機関 新潟県立図書館副館長 有本 教子 新潟県立新潟よつば学園校長 岡村 浩之(欠席) NPO法人障害者自立支援センターオアシス 事務局長 小島 紀代子(欠席)                      代理出席 相談員 藤本 泰子  (3)行政機関 新潟県福祉保健部 障害福祉課 施設管理係長 海口 秀幸(欠席) (4)ボランティア 点訳ボランティア 明田川 美子 音声訳ボランティア 吉倉 千恵 事務局 新潟県視覚障害者福祉協会 理事長 木村 弘美 同事務局長 関川 憲司 同参与 桜井 美和子 新潟県視覚障害者情報センター 所長 斎藤 義樹 同所長代理 山口 史明 同所長代理 石原 優芽乃 4 事業推進懇談会の趣旨等、構成員の紹介、自己紹介 5 挨拶 木村理事長 6 進め方、資料の確認 7 新潟県視覚障害者情報センターの取り組み(説明) 資料1 8 重点事項に関する討議事項(説明) 討議事項1 読書バリアフリー法の取り組みに関すること  ア 情報機器の相談・習得支援 資料2  イ 公立図書館等との連携等 資料3 討議事項2 情報提供の内容や体制の充実に関すること 資料4 9 報告事項 令和4年度事業実績概要と令和5年度事業概要 資料5 10 重点事項に関する討議事項 討議事項1 読書バリアフリー法の取り組みに関すること  ア 情報機器の相談・習得支援 《ICT機器の情報提供について》 (視障協・関川美咲枝) ・本会への出席にあたって、読書をする友人5名にもセンターへの意見要望がないか確認してきた。 その中で出た話であるが、「携帯型の録音図書再生機であるプレクストークリンクポケットの販売がなくなり、 スマホ、アイフォンを使っている人もいるが、どうもいまいちである」との意見があった。 昨今、新しい機器として「センスプレイヤー」が発売されたが、口コミで聞いたりホームページで確認したところ機能がたくさんあるようで使いこなせるのか不安。 できれば購入する前に触ってみたいと思うのだが、このセンスプレイヤーについて何か情報はあるか? ・また、読書に使える機器の情報としてカード型のラジオがホームセンターで売られていたり、通販でリンクポケットの中古が出回っていたりしているが、 いろいろありすぎて収拾がつかなくなっている。機器は高額な傾向があり、補助があっても負担が大きいことから、 以前プレクストークの講習会があったように他の機器でも、買う前に触りたいというのが5名の共通の希望である。 (事務局・山口所長代理) ・現在、機械を買う前の体験、センター内に展示のグッズを試用してもらっている。体験できるセンスプレイヤーの購入についても検討していきたい。 いろんな機械がある中で各自にマッチングする、多機能であってもシンプルな機械の購入が望ましく、相談も増えてきている。 地域においても法人の方で地域の集まりに参加させてもらっている。情報センターは読書の情報に特化し、県視障協の自立支援室は自立に向けた白杖や ICTにつながる部分を担当する形ですみ分けしながら支援していきたい。 《情報センター等による支援体制について》 (視友協・石田浩子) ・視友協の仲間に聞いたところ、「iPhoneの使い方について相談したところ訪問していただいて非常に助かった」という話があった。 また、パソコンで生協の注文も行えるようになったとの話もあった。盲学校の出身者が多い昔の貸出主体からロービジョンの方が増えて支援の内容は変わってきているのか? (事務局・山口所長代理) ・点字図書館から情報センターになって読書に関する支援も充実させてきている。 読書の支援が主だが、ロービジョンの方も含めて、ホームページ等で各種情報を発信していく必要を感じる。 相談してもらえれば、支援室かセンターなのか、その他の連携も活用していきたい。 イ 公立図書館等との連携等             《県立図書館での対面朗読の状況について》 (中視連・板垣稔) ・先日、県立図書館に初めて行ったのだが、その時の感想として1人でバスで行ったためかわかりにくかった。 通用口が最初にあり、先に入っていったが薄暗く感じた。対面朗読は上手にやってもらった。 初めての利用だったが、自分なりに使い方を考えればいろいろとやれることもあるなと思った。 (県立図書館・有本副館長) ・県立図書館は建物内に施設が3つあってわかりにくく、案内についても建物の中に入らないとわからないようになっている点は課題。 対面朗読については継続して実施して行きたい。 (事務局・石原所長代理) ・今後の参考のため、どういったきっかけで県立図書館の対面朗読を利用されたか教えていただけるか。 (中視連・板垣稔) ・先日、ふれあいプラザでこうなんふれ愛まつりがあり、センターと県立図書館が合同で紹介ブースを設置していた。 その際に県立図書館で対面朗読が行われている説明があり、電子書籍についても教えてもらった。 (事務局・石原所長代理) ・現在県内の公共図書館との連携を進めており、その流れで今回の合同ブースの出展に至っていた。今後も継続していきたいと思う。 《県内での対面朗読の実施について》 (事務局・斎藤所長) ・本日欠席の、髙橋泰子さんから対面朗読についての意見があり紹介する。センター及び公共図書館で対面朗読がいつでもできるように働きかけてほしいとのこと。 なお、髙橋さんは小千谷市の方。当センターとしても、図書館連携を進める中で対面朗読が各地で実施できるようにしていきたいと考える。 ・なお、当センターではコロナ禍以降は、利用者と朗読者が直接会って実施する形式での対面朗読は休止しており、依頼のあった本を読み上げた音源をCDにして渡す形をとってきた。直接対面で実施する形については希望があれば再開したい。 討議事項2 情報提供の内容や体制の充実に関すること 《点訳ボランティアの現状について》 (点ボラ・明田川美子) ・点訳の会の集まりで話題になるのが、点訳のボランティア活動で使用するパソコン等の機器の購入が、高額ながらもボランティアに任せられており、 活動を始めるにあたって高いハードルとなっている点。点字技術の習得には時間がかかり、講座を実施してもなかなか集まらず、高齢化でやめていく人も増えている。 自動点訳ができるようになっても校正の技術が必要で、技能士の資格を取るのも大変である。ボランティアの活動を引き上げるような道筋をつけていただきたい。 (事務局・斎藤所長) ・昨年度ある点訳の団体が県庁の方に機械についての要望を行ったと聞いている。当センターとしてはボランティアに対する機器の貸出等の予算は設けられていない状況。 研修の方は各種実施している。指導員認定講習会等の参加があればその助成の予算はあるので相談願いたい。 (関川事務局長) ・ボランティアの養成のための講習会は県から出ている予算を財源として対応しており、センターは指定管理予算において実施する内容が決まっている。 各地域では社協、市町村が機械等の整備を行う仕組みとなっており、読書バリアフリー法に基づく対応を市町村にお願いしているところ。 社協、市町村の予算は限られている中ではあるが、まずは実態とニーズを伝えてもらえればと考える。 《音声訳ボランティアの現状について》 (音ボラ・吉倉千恵) ・音声訳ボランティアの問題点として挙げられるのは高齢化の問題。若い方は仕事もあってかなかなか入ってこない。 高齢化で辞めていく人がいる中で、人数はぎりぎりのところでやっている。また、利用者も新しい方がなかなか増えない。 障害者手帳の申請等の際に市町村の方で音声訳図書を製作できる仕組みがあることをきちんと話してもらうと良いと思う。 民生委員からの紹介でも良いが、実際に視覚障害者が減っているわけではないのに利用者が減っており、市町村による現状の把握が十分でないことが悩みである。 プライベートサービスも要望があれば応えたいという思いはあるが、送迎の問題もあり利用者自体がそういった集まりに参加できていない。 一例として新潟市立中央図書館では対面朗読も音訳図書の製作も実施しているので、その情報が市内各地に広がればよいのだが、 自分の地元である豊栄の図書館では利用が無いようである。 (桜井参与) ・目の不自由な高齢者のケアマネージャーから、今まで点字図書を読んでいたが触読が不自由になり、対面朗読の希望があった。 センターは遠いということで近くの新潟市立中央図書館を紹介したところ、ガイドさんと無事に行き対面朗読を受けることができた。高齢者への情報提供が大事と思う。 《中途視覚障害者への支援について》 (オアシス・藤本泰子) ・オアシスの利用者は中途視覚障害者が多く、見えなくなってから音訳図書で読書を楽しむ方が多く、本をたくさん利用している方も多い。 そういった方は、音訳ボランティアの力によって楽しみを得ている。中途で目が不自由になって人生をあきらめ、家に閉じこもっている人がいる。 こういう方法があるという情報を市町村から身体障害者手帳交付時に案内ができないか。 目が不自由になった段階で眼科医に行くが、ロービジョンケアに眼科医が関心を持っていない場合もある。 絶望的な気持ちになっている中途視覚障害者の方に支援を行うセンターがあるという情報は目が不自由になった方の生きる希望になりうる。そういった情報提供が大切と思う。 (事務局・斎藤所長) ・過去の事例としては、コロナ前には県庁障害福祉課が春に市町村担当者向けの会議を開催しており、その際に当センターのパンフレットを配布してもらった。 また、巡回ミーティングを行った際、ある地域では当事者、ボランティア団体の集まりに市町村障害福祉担当者、社協担当者が参加しており、 ボランティア団体の代表が社協担当者に対しパソコンの寄付のお礼を言っていたことがあった。 ふだんから密接な関係を築いている様子であり、地域にもどって働きかけを行ってはどうか。 (関川事務局長) ・眼科医会との話し合いについては2年前くらいから始めており、眼科医会の総会に参加したり、イベントを共催する形になっている。 また、従来からのささだんごネット(新潟県視覚障害リハビリテーションネットワーク)を通じて、パンフレット等の配布の努力を行いながら、 利用者の掘り起こしにつなげて行きたい。 (新潟県視覚障害者情報センターとりまとめ)